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アパレルの事業譲受に伴うシステム・物流統合に挑む
クオリカの手厚いフォローによりトラブルゼロで実現

流通・サービス業

アパレル業 株式会社オッジ・インターナショナル様

掲載日:2022年03月08日

導入ポイント

  • 課題
    ●MDの基幹システムが古く、早急に新システムへのリプレイスが必要
    ●他社からの大型ブランドの事業譲受に伴い、システム・物流統合が急務
  • 選定ポイント
    ●大型ブランドが元々使ってきたクオリカのシステムへの信頼性の高さ
    ●混乱やリスクを最小化するため、クオリカの知見やノウハウに期待
  • 効果
    ●クオリカによる課題管理が貢献し、全社的な基幹システムの統一に成功
    ●全事業部の売上の即時確認や店頭棚卸し処理の速度アップを実現

課題

大型2ブランドの事業譲受に伴いシステム統合が急務
既に使っていたクオリカのシステムへの統一を目指す

 オッジ・インターナショナル(以下、オッジ)は、複数のブランドを展開するアパレル会社です。近年の最大の出来事が、2020年9月、レナウンからアクアスキュータムとダーバンの大型2ブランドを譲受し、新規事業として運営を開始したことです。それに伴い、業務効率化とコストダウンのため、既存ブランド事業と新規事業で基幹システムと物流システムを統合することが、喫緊の課題となりました。
 また、オッジでは別の課題も抱えていました。それは、使用している基幹システムが老朽化し、今後、開発ベンダーによる長期の維持とメンテナンスに限界があったことです。そこで、この事業譲受を機に、統合された新規の基幹システムにリプレイスすることによって、解決を図る方針が、経営から示されたのです。
 今回の統合プロジェクトにおいて考えられた選択肢は2つです。一つが、親会社の小泉がグループで導入を進めている新システムと同じ仕組みを採用することです。ただし、オッジでは早期の新システムの稼働を目標としており、時間がない中、基幹システムの全てを入れ変えて安定稼働させるのはハードルが高い試みでした。
 もう一つは、事業譲受した2ブランドで使っていたクオリカの基幹システムを既存ブランド事業でも採用、統合することでした。「早期の段階で、『この施策であれば、2ブランドの従来のシステムと運用経験を活かせる』、また『使い方を既存ブランド事業の従業員に共有することで、円滑な移行も可能になる』との経営判断がありました」と、今回のプロジェクトの責任者である同社システム部システムチーム統括の前田祥一氏は話します。結果、会社として負荷とリスクを軽減する観点からも、後者のアプローチを実行する決断がなされたのです。

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選定

使い勝手の良さから信頼を得てきた業務支援システム
システム統合で必要なのは課題管理の知見やノウハウ

 クオリカがその2ブランドで提供していたのは、発注・仕入業務から商品の自動補充、店頭業務までマーチャンダイジング(MD)全体を支援する店舗・基幹システム「UCS」とMD業務の意思決定を支援する「MDSS」の2つのシステムです。いずれもレナウン時代から2ブランドで運用され、使い勝手の良さから、現場のユーザーに高く評価されていました。そうして得てきた信頼性も、今回クオリカのシステムが採用された一つの要因です。
 しかし、問題は、こうしたシステムの統合では、当事者となる会社や事業部門の他、構築・運用していたベンダー、関係する物流会社などステークホルダーが多岐にわたる点でした。一般的には、統合プロジェクト全体の調整や、新たにシステムを使うことになる関係部署、会社の業務フロー、システムの改修などでトラブルが発生することが予想され、本番稼働を成功に導くためにはプロジェクトの課題管理をしっかりと行うことが求められます。
 そうした観点で見た場合、クオリカの強みとなるのが、アパレル業界で数多くのシステムを構築してきた経験と、基幹系にも物流系にも知見やノウハウが豊富にあることです。また、クオリカが長年培ってきた品質の高いプロジェクト管理能力もクライアントにとっては期待されるところです。オッジのシステム統合プロジェクトでは、そうしたクオリカの優位性が発揮されることが、導入の成功を大きく左右するポイントとなっていたのです。

 

導入

WMSの統合で物流会社に課題が続出
クオリカが枠を超えて支援しプロジェクトの推進力に

 統合プロジェクトは、大きく、基幹システムの導入と物流システムの導入の2つに分けられ推進されました。基幹システムに関しては、クオリカがスケジュール通りに構築し、問題なく導入が完了。使い方を展開するための研修も2ブランドを以前より利用していた従業員が行い、現場へのナレッジの共有が計画的に進められました。
一方、様々な課題が生じたのが、物流システムです。物流系では、元来、オッジが使ってきたWMS(倉庫管理システム)に統合することになり、そのWMSをレナウン時代から委託している物流会社に導入することになったからです。物流会社では慣れないWMSを使うことになり、業務フロー自体も変えなければならず、課題は山積みでした。
 そうした中、プロジェクトを前に進めるため、力を発揮したのがクオリカのエンジニアチームです。「WMSは他のベンダーが構築しており、クオリカが協力することは厳密にいえば範囲外の業務となります。しかし、クオリカのチームは物流システムの問題を話し合う会議にも積極的に参加し、持ち前の知見やノウハウを存分に提供してくれたのです。例えば、WMSで想定される課題を抜け漏れなく一覧表にして、一つひとつ問題の芽をつぶしていく提案や、毎回、リスクや不安がある点を鋭く指摘し、それがどれも的を射たものでした。何度も会議で困った時に、助け舟を出して、議論をリードしてくれたのです」(前田氏)。
 本番さながらのテストを物流会社で行う際も、基幹システムから練習に使える過去のデータを抽出して提供するなど、様々な局面で貢献を果たしています。こうして枠を超えた活動に関して、クオリカの担当者はこう話します。「私たちにとっては、システムを仕様通りに作るだけでなく、現場がきちんと回るようにすることこそがゴール。その観点があるからカットオーバーに向けてできる限り協力しました」。クオリカの手厚い支援もあり、本番稼働後は大きな混乱もなく、安定した運用が実現しています。

成果と今後の展開

ユーザーからの問い合わせがほとんどなく安定稼働
プロジェクト推進のフォロー力もベンダー選びの条件

 現在、オッジでは、統一した新システムの中で業務が問題なく回るようになっています。また、本部では全店舗の売り上げ実績の即時的な確認ができるようになり、店舗では在庫確認がしやすくなったため、棚卸し処理のスピードが向上するなど、様々な場面で導入効果が現れています。前田氏が目を見張るのは、各店舗や本部のユーザーからの問い合わせがほとんどないことです。「これは新しいシステムにも関わらず、現場がスムーズに使えている証拠。使いやすさに加え、導入時にできる限り課題を潰していったことが大きいと思っています」。今後はMDSSを活用し、MD分析による業務改善によって業績アップを図っていくことが目標です。
 こうした事業譲受やM&Aに伴うシステムの統合は、アパレル業界のみならず、他の業界でも見られることです。導入するシステムが高品質であるのは当然求められることですが、加えて、ステークホルダーが多い状況で、他の領域も含めてプロジェクト推進をフォローできる力を持っていることもベンダーを選ぶ際の条件となり、クオリカにその付加価値がある点は重要なポイントといえるでしょう。

 

お客様のプロフィール

会社名
株式会社オッジ・インターナショナル
所在地
大阪市中央区備後町3丁目1番6号
設立
1988年12月1日
資本金
3,000万円
事業内容
婦人服、紳士服、雑貨の高付加価値のブランド商品を展開するアパレル会社。メイドインジャパンの高品質な商品を主に百貨店を通じてお客様に提案する。売上高75億円(2022年2月期見込み)、従業員約740名(2021年2月末時点)。

お問い合わせ先:流通サービス事業部
TEL:03-5937-0785
FAX:03-5937-0803